
収益物件の売却を考えるとき、「売り時」はひとつではありません。
目的によって、物件売却の最適なタイミングがまったく異なるからです。
今回のコラムでは、収益物件を売却するベストなタイミングについて「目的別」にわかりやすくを整理し、迷わず判断できるようにわかりやすく説明します。

株式会社Vision Bridge 専務取締役 /COO
不動産コンサルタント
東 将吾(Higashi Shogo)
大学卒業後、新卒で東証一部上場企業の商品企画、マーケティング職を経験。その後、大手出版社にて企画営業に従事する。2017年に売買仲介をメイン事業とする不動産会社に入社し、賃貸管理事業部の責任者としてゼロスタートから投資家100名超、約2,000戸の物件運営に携わる。その後同社執行役員に昇格し、複数の新規事業を牽引。IT×不動産、企業DXを推し進める。 2022年に株式会社Vision Bridgeを設立し専務取締役に就任。
収益物件を売るべきタイミングとは、目的により全く違う!

収益物件を売るタイミングは、一つではありません。
売り時は「自分の目的」と「市場の動き」を合わせて考えることが大切です。

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たとえば、物件価格が上がっていてローンの残りが少ない場合は、早めに売って利益を確定させるのが現実的になります。
反対に、金利が上がりそうな時期は買い手がローンを組みにくくなり、売れにくくなるため注意が必要です。
また、物件が古くなると買い手が減り、価格も下がりやすくなります。
金融機関や構造によって異なりますが、築年数が進むほど融資期間が短くなりやすいケースも多いため、築年数にも気を配ることが大切です。
つまり、「売りたい理由」がはっきりしていなければ、良いタイミングを逃してしまうおそれがあるということです。

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都市部では2026年現在も価格が高値圏で推移し、急な下落リスクは小さいとみられます。
一方、地方では価格下落の兆しがあり、早めの売却で損を防ぐ判断も必要です。
金利上昇や融資基準の厳格化が進む中、買い手のローン組みづらさが増す前に売ることが「機を逃さない」ための大事な判断になります。
【目的別】収益物件の売却タイミング

収益物件を売る目的は人によってさまざまです。
主な目的ごとの「売り時」は、次の通りです。
・節税目的なら、償却終了後のキャッシュフローが安定したタイミングで売るべき
・利益最大化を目指すなら、市場価値が上昇しているタイミングで売るべき
・相続物件を手放したいなら、管理負担や税負担が増える前に売るべき
・ローンの借金を減らしたいなら、物件価値が上昇したときに売るべき
以下からは、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
節税目的なら、償却終了後のキャッシュフローが安定したタイミングで売るべき
節税を目的に物件を持っている方は、減価償却(建物の価値を年ごとに経費として分けて計上する仕組み)が終了した段階で見直しの時期を迎えます。

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償却が終わると経費として引ける分がなくなり、節税の効果が小さくなるのです。
節税の効果が小さくなった結果、家賃から得られる利益に税金が多くかかるようになります。
判断の基準となるポイントは次の通りです。
・減価償却がほぼ終わっているか
・家賃収入でローン返済と運営費をまかなえているか
・周辺の売却事例で利益を出せそうか
・売却後に残る手取り金額が目標を超えているか
たとえば、5000万円で購入した物件のローン残高が4000万円、売却価格が6000万円なら、利益は2000万円となります。
ただし、税金を引いた後にどれだけ残るかを計算し、専門家に相談して判断するのが安心です。

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もし償却が終わっても家賃が安定して入るなら、急いで売らずに保有したままでも問題はありません。
節税目的が終わった段階で、黒字を保ちながら売るのが現実的な出口です。
利益最大化を目指すなら、市場価値が上昇しているタイミングで売るべき
物件の価値が上がっている時期に売ると、含み益(まだ確定していない利益)を確実な利益に変えることができます。
判断の目安は次の通りです。
・周辺の成約価格が購入時より上がっている
・築年が若く、買い手が長期ローンを組みやすい
・大規模修繕の前で、買い手が将来の負担を気にしない時期である
・金利が上がる前に取引できる

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価格が上がり続けていると「もっと待てばさらに上がるかも」と考えがちです。
しかし、そうした欲を出すと売るタイミングを逃してしまいます。
特に築10〜15年ほどの物件は、まだローンが組みやすく、買い手も多い時期です。
築10〜15年ほどのタイミングで売ると、価格と需要のバランスが良く、安全に利益を確定しやすいです。
一方で、市場の勢いが落ち始めてからでは価格が下がり始め、売却まで時間がかかることがあります。
買い手がローンを組みにくくなった後では、思った値段で売れないおそれもあるのです。
相続物件を手放したいなら、管理負担や税負担が増える前に売るべき
相続した物件は、思った以上に管理や税金の負担が増えるものです。
経験のない方ほど、早めに動くことが安心につながります。
判断のポイントは次の通りです。
・管理や修繕の手間が増えている
・建物が古く、修繕費が大きくなりそう
・相続人同士の話し合いがうまくいかない
売却までの手順をお伝えします。
まず、名義変更(登記)を済ませ、賃貸中なら契約内容を確認して建物の状態を点検することから始めましょう。
そして名義変更し、建物の状態を点検。
そのうえで、固定資産税や管理費を年単位で把握し、相続人全員の同意を取って簡易査定を依頼。

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もし残債がある場合は、清算の計画を立てなくてはいけません。
名義変更を怠ったまま売却を進めようとすると、権利移転ができず、売買契約そのものが無効になってしまうおそれもあります。
また、相続登記の義務化により、2024年4月1日以降に相続が発生した場合、取得を知った日から3年以内に登記が必要と法律で定められています。
(相続等による所有権の移転の登記の申請)
第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。
(以下略)引用元:不動産登記法 | 第76条の2
放置すると過料(罰金)の対象にもなるため注意が必要です。

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相続物件は管理や修繕の負担を放置すると、資産価値が落ちやすくなります。
見た目を整えるために高額なリフォームをするよりも、掃除や簡単な補修にとどめ、コストを抑えて早めに売り切る方が結果的に有利です。
ローンの借金を減らしたいなら、物件価値が上昇したときに売るべき

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ローン返済を早く終わらせたい方は、物件の価値が上がったタイミングが狙い目です。
築10年から15年の間は、買い手が長期ローンを組みやすく、価格と需要のバランスが良い時期です。
反対に、築年数が経つと融資期間が短くなり、売却が難しくなります。
売却の際には、経費を見落とさないことも重要です。
たとえば仲介手数料、登記費用、税金などを考えずに売ると、思ったよりも手取りが少なくなってしまうことがあります。
また、次の投資先を決めずに売却してしまうと、手元の資金を眠らせてしまうおそれもあります。
目的がはっきりしているなら、物件の価値が高いうちに売却し、借金を減らす判断が効果的です。

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ただし、値下がりリスクが見えている場合は、多少残債が残っていても早めに売却した方が安全です。
価格変動を待っている間に価格が下がり、結果的にオーバーローン(売っても借金が残る状態)になると、返済が難しくなります。
収益物件の売却タイミングを見極め、最適なタイミングで利益を最大化しよう!

今回のコラムでは、収益物件の売り時を目的ごとに整理し、判断の基準をわかりやすく説明しました。

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東 将吾
最終的に「いつ売るか」は、目的、市場の動き、ローン、税金、建物の状態などを総合的に考える必要があります。
高値を狙いすぎると買い手がローンを組めず、売りづらくなることもあるため、利益が出る時期に確実に売る判断が賢明です。
法律や税金に関わる内容は複雑なことも多いため、専門家に相談するのが安心です。
不動産会社には、価格の根拠づけや売却戦略、管理引き継ぎなどを任せるとスムーズに進みます。
Vision Bridgeでは、売却のタイミング判断だけでなく、融資アレンジや法人設立、管理体制の見直しまでトータルで支援しています。
資産の将来に不安がある方は、無料のプライベート相談で最適な戦略を見つけてみてください。